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今日の分析は3784 ヴィンキュラムです。
*四季報のスクリーニングで抽出された企業をランダムに簡易的な分析をしています。
*興味を持たれた方がより深く調査するためのきっかけという位置づけでお願いします。
*特に売買の推奨をするつもりはありませんのであしからず。単純に安いからといって買うわけでもありません。
●事業内容
流通業向けのシステム設計、ソフトウエア開発
発祥は旧マイカルのシステム部門です。当初はマイカルとそのグループ企業に対して情報システムのサービスを提供していましたが、マイカルの経営破綻によって現在では富士ソフトエービーシーの子会社となりました。現時点での親会社の持株比率は60.3%となっています。
●リスク
1.販売先の約60%をイオングループに依存
破綻したマイカルがイオングループに引き取られたため、その流れでヴィンキュラムもイオングループの受注を得ることができたようです。現在の主要取引先は以下のようになっています。
2006年3月期
・株式会社マイカル 35.0%
・ポケットカード株式会社 14.4%
・株式会社ポスフール 9.7%
いずれも旧マイカル関連の企業です。注意すべきはポケットカードが三洋信販の子会社となってしまい、クレジットカードのシステムは他社が開発する次期システムへ移行することが決定しています。この時点で2008年3月期の収益が落ち込むことが既に明らかになっています。リスクというより確定事項ですね。
2.人材の確保
システム会社は労働環境が厳しいということで、最近では敬遠されているようです。この事情は業界全体の問題なので、特にヴィンキュラムにとって不利に働くという話ではありません。人材確保のために上場するという経営者の気持ちもわからないでもないですね。
3.開発プロジェクトの管理
開発プロジェクトにおいて当初の見積もり以上の工数が必要となり、採算性が悪化するリスクを常に抱えています。これもシステム会社の宿命でしょうか。ただし、同社の場合はマイカルの業務やシステムを熟知していると予想されるため、いくらか勝手がわかっているのではないでしょうか(想像です)。
| ●成長性(百万円) | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 今期予想 |
| 売上高 | - | - | 8,377 | 10,706 | 12,605 | 14,000 |
| 売上高伸び率 | - | - | - | 27.8% | 17.7% | 11.1% |
| 経常利益 | - | - | 561 | 646 | 873 | 1,000 |
| 経常利益伸び率 | - | - | - | 15.2% | 35.1% | 14.5% |
| EPS | - | - | 8220 | 12580 | 18952 | - |
| EPS伸び率 | - | - | - | 53.0% | 50.7% | - |
*今期予想は会社発表の数字を採用
ここ数年は右肩上がりの成長のようです。
ここで、事業構成(売上構成比)を調べてみます。
アウトソーシング事業(44.4%)
流通・サービス業のシステム運用、管理サービス
ソリューション事業(24.1%)
流通・サービス業における各種業務システムの企画及び開発
プロダクト事業(6.4%)
パッケージソフトウェアの開発、販売
その他事業(25.1%)
昨年度の売上の伸び17.7%のほとんどがソリューション事業とその他事業によるものです。これは主要顧客(おそらくイオン、マイカル)の店舗システム入れ替えによって売上高が大幅増加した分です。この成長が今後も続くかどうかについてはクエスチョン。景気の風向きが悪くなればIT投資の予算は削られるかもしれません。
プロダクト事業としてPOS(Poin of Sale)のソフトを会社説明では特に強調していました。このパッケージソフトの販売で新規顧客を獲得し、システム開発の仕事をとって来るという流れを描いているようです。ただし、売上に占める割合は未だ6.4%と低い段階にあり、現段階では過度に期待はできないでしょう。
| ●収益性 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 |
| ROIC | - | - | 21.5% | 21.9% | 17.3% |
| 営業利益率 | - | - | 6.9% | 6.4% | 7.4% |
| 原価率 | - | - | 80.2% | 81.3% | 81.1% |
| 販管費率 | - | - | 12.8% | 12.3% | 11.5% |
| 投下資産回転率 | - | - | 5.2 | 5.7 | 3.9 |
ROIC = 営業利益*(1-実効税率)/(株主資本+有利子負債)
去年上場したので、株主資本が厚くなりROICが下がりました。
販管費率は年々低下傾向でいい感じです。
| ●安全性 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 |
| 株主資本比率 | - | - | 39.0% | 34.6% | 48.6% |
財務上特に問題はありません。
| ●割安性 | |
| 株価 | 210,000 |
| 予想PER | 10.9 |
| PER実績 | 11.2 |
| PCFR実績 | 8.0 |
| 配当利回り | 1.59% |
| 業界平均PER | 21.1 |
*予想PERは 予想経常利益*(1-実行税率)で修正
●総評
成長の質に問題がありそうですね。イオングループの店舗システム入れ替えが一段落した後、どこまで業績を伸ばせるかが見物です。ただし、マイカルのシステムを熟知しているという点で取引の継続性は高いと思います。ポケットカード分の売上減と成長率を渋めにしてDCFでざっくりバリュエーションしてみましたが、それでも割安な価格にはあるようです。どうせなら来期の業績予想が減益と発表されて株価が下がり、買付。なんてできればいいのですが上手くいくかはわかりません。
この手のシステム会社の一番困るところは売上の成長性が読めないところにあります。私は結構投資するのですが、パターンとして「収益が毎年一定」、「利益の使い道に困り現金や投資有価証券をため込んでいる」という企業をねらい目にすることが多いです。
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