PR |
小型バリュー株は取引の活発でないことが多く、流動性は低いことがよくあります。以前(といっても5年ほど前)このような銘柄に対してどのように対処すればいいのかという質問を頂いたのですが、そのとき私は、きちんと調べておけばいい話なのであまり気にしていないと回答しました。
現在においては、少し考えも代わっているので記載しておきます。
まず、ちゃんと調べておけばよいという話は、やはり自信過剰だと反省しました。特に私は分散主体ですから間違えることもそれなりにあり、その時は容赦なく損切りしています。なので流動性が低い銘柄については売り切るのに苦労させられることが何回かありました。
上昇相場ならさして問題ないのですが、下げ相場になると値を飛ばして下げてくるのでこれは大変です。スケベ心を出して、ちょっとずつ下のほうで指値を出しても、ずるずると値が下がるばかりで一向に約定してくれません。一気に売ってしまった方が正解です。
また、調査の時点では問題が無かったとしても、時間の経過とともに状況が変化してしまうこともあります。厳密に言えばこれも間違いなのですが、資産バリュー銘柄が突然赤字を垂れ流すようになり、会社の価値そのものがどんどん低下していくことがあり得ます。
理屈の上では正しくても、実際の運用においては好ましくないことは結構あります。経験者にあらかじめ聞くというのは有効な手段ですが、私なんかは屁理屈をこね回して言うこと聞かないタイプなので、実際に経験してみるしかないようです。
株式投資に望むに当たっては様々な手段がありますが、色んな手法を知っているから、もしくは使っているからといって、必ずしも成績が良くなるとは限りません。
・PERやPBRを覚えたから、今度はDCFで理論株価を算出できるようになればもっと精度は増すはず。
・ファンダメンタルに加えてテクニカルも覚えればタイミングも取れるようになるだろう。
・更に経済指標もおさえておけば鬼に金棒・・・
と際限なくやることは増えていくのですが、その内にいくつかの手法が競合を起こして行き詰まるようになります。
例えば、株価だけを見て10%下がったから損切りするなんて話は、バリュー投資家にしてみれば受け入れにくいものでしょう。理屈どおりに考えれば「更に安くなったのになんで売らなきゃならんのだ!ここは買い増しだろう!!」ということですから。(致命的な悪材料が出て、今の株価は到底割安ではないという話なら損切りは必要だと私は思いますが)
そうすると、いちいち場合分けをして投資の判断をすることになります。
PBRで見れば十分買えるが、今の経済状況からすると待ちだ。あ、でもテクニカルで見ると買えるな・・・
このようなことが繰り返し起こると、自分が何をやっているのかさっぱりわからなくなってしまうのがオチです。私はファンダメンタルを主体に投資してますが、その範疇においてさえチェックリストが膨大に増えていき、困ってしまったことがあります。
株式のように複雑なものを複雑なままで捕らえようとしても、人間の認知能力をはるかに超えてしまうだけです。単純で明快な手法の方が判断に迷うこともないですし、成績も大して変わらないと私は思います。ましてや勤め人には時間がありませんからね。
何でもいいのですが、あるスクリーニング条件やシグナルに基づいて投資を行ったとき、過去のデータからその手法が非常に優位性のあることがわかったとします。
早速明日から採用してみたいと思うところですが、問題なのは、その手法が未来においてどのくらいの期間有効なのかということではないでしょうか。
背景にあるメカニズムがある程度わかっているような時は、その前提条件をウォッチしていればいいことになります。しかし、どうしてこのような結果が得られたのかさっぱりわからん、というような場合は、無闇に採用することに気が引けてしまうかと思います。
長期投資の解説でよく引き合いに出されるように、100年あまりのデータがあれば信憑性は増しますが、3年とか10年だったらどうしますか?
何かの事象が未来に渡ってどのくらい期間存続するかを簡単な計算式で予測することができるGottの法則というものがありますので、紹介してみたいと思います。
宇宙物理学者のJ. Richard Gott IIIはハーバードを卒業後、休暇をとることにしてドイツを訪れました。当時は冷戦真っ只中で、ベルリンの壁が建てられてから8年が経過していました。彼は冷戦について何ら背景知識を有していなかったのですが、それがどのくらいの期間存続するか推測してみることにしたのです。
Gottがドイツを訪れたタイミングが、ベルリンの壁存続期間の中央50%に位置する確率は50%です(下図棒グラフ1段目)。ここで、Gottがベルリンの壁を訪れた時期が、その存続期間の中央50%の始まりに位置すると仮定しましょう(下図棒グラフ2段目)。この位置では存続期間はあと75%残っていることになります。Future(75%)はPast(25%)の3倍ですから、8年×3=24年。つまり、ベルリンの壁は50%の確率で、あと最大24年存続することになります。
逆に、Gottがベルリンの壁を訪れたのが、その存続期間の中央50%の終わりに位置するとします(下図棒グラフ3段目)。今度は存続期間があと25%しか残っていないことになり、ベルリンの壁は50%の確率で最低でも 8年÷3=2年8ヶ月 の存続期間を残していることになります。
実際、ベルリンの壁は20年後の1989年に取り壊されたのでした。
さて、以上の考え方を簡単な式にまとめると以下のようになります。ある事象がこれまで存続してきた期間の長さを tpast とすると
確実性のレベル 最小存続期間 最大存続期間
50% tpast÷3 3×tpast
60% tpast÷4 4×tpast
95% tpast÷39 39×tpast
Gottはここから人類が存続し得る期間を計算し、宇宙にスペースコロニーを作って植民するべきだなんて論を展開するのですが、目先の利益が重要な私たちは投資について考えてみましょう。
たとえば、過去10年に渡って有効だった投資手法が、今後50%の確率でどれだけの期間存続するか計算すると
最小存続期間=10÷3=3.33年
最大存続期間=3×10=30年
95%の確実性を求めるなら
最小存続期間=10÷39=0.26年
最大存続期間=39×10=390年
とはじき出されます。
まあ、結果をご覧になってもわかるとおり、あまりにも高い確実性を求めると、何ら実用性を有しないことがわかります。この辺は煎じ詰めれば投資家のさじ加減ということになってしまいます。ただ、複数の戦略を組み合わせて投資を行う際に、50%とか60%の確率を採用して、ポートフォリオの配分を定量的に決定するなんて場合には参考になるのではないでしょうか。
参考文献
MIND パフォーマンス HACKS Ron Hale-Evans著
http://pthbb.org/manual/services/grim/
今日はインデックス投資家にとって朗報がありましたね。
複数国の株式市場にまとめて投資できる外国株ETFが初上場(日興アセットマネジメント)
~先進国22カ国及び新興国22カ国への国際分散投資が可能に~
これでわざわざドル転することなく新興諸国や先進国の株式に分散投資できるようになるのですから、コスト的にメリットはあるのではないでしょうか。
さて、ついでにETF関連について調べていたらSeekingAlphaというサイトで2010年のETFベスト10が紹介されていました。
1. SPDR Russell/Nomura Small Cap Japan ETF (JSC)
2. WisdomTree Dreyfus Emerging Currency Fund (CEW)
3. SPDR Barclays Capital High Yield Bond ETF (JNK)
4. Utilities Select Sector SPDR Fund (XLU)
5. IndexIQ CPI Inflation Hedged ETF (CPI)
6. Global X FTSE Nordic 30 ETF (GXF)
7. iPath S&P 500 VIX Short-Term Futures ETN (VXX)
8. Dow Jones Emerging Markets Financials Titans Index Fund (EFN)
9. Market Vectors Gaming ETF (BJK)
10. PowerShares Global Listed Private Equity Portfolio (PSP)
なんと日本の小型株が1位です。理由が強気相場で唯一取り残されているから。更に失われる10年を懸念して株価は冴えませんが、11月の鉱工業生産が前月比2.6%上昇し、9か月連続プラスとなったことや、最近の円安への揺り戻しを好材料にあげています。政府の経済刺激策についても言及がありますが、この辺はどうでしょうかねえ。
私は今のところ手をだすのは控えていますが、日本株は確かに安いことは安いのでここで買っておくのもひとつの手かもしれません。
今年の私の投資方針です。
基本方針
・日本と欧州は外す(欧州はもともと個別株が買いにくいということもある)
・低PER×高ROAな指標が中心
・新興諸国の株は一旦売り切ってしまったが、チャンスがあれば積極的に買っていく
・円からドルへの切替は昨年であらかた移したので特に行わない
・金とかも見るからに高そうなので手をつけない
現時点でのポートフォリオ
・米国株 50%
・その他アジア(日本とタイ) 5%
・キャッシュポジション 45%(香港ドル)
中国株の調整があれば買っていきますが、それ以外は基本放置で。
まずは「Mind Hacks―実験で知る脳と心のシステム 」からの引用をどうぞ
-----------------------------
脳は一般に、さまざまな情報が錯綜する中から、意味のある情報を抽出するのに優れている。たとえ、かすかな刺激であっても、他の多くの情報を掻き分けて検知することが多い単なるノイズから意味のある情報を読み取る能力は、空想傾向や
幻覚傾向の強さと特に関係が深い。超常現象を信じている人ほど、ランダムなパターンの中に意味のある情報を読み取りやすい。Brugger等の行った実験では、ESPを信じる人は、そうでない人より、ランダムなドットパターンから意味を読み取ることが多いという結果が出ている(*1)。
(中略)
意味のある情報を読み取りやすい人は、一見無関係な情報や考え方の間に関連性を見出しやすいという説もある。そういう認知スタイルを持っているというのである。これ自体は一概に悪いこととは言えない。創造性や水平思考につながるからだ。他の人が読み取らない意味を読み取るというのは時として非常に役立つスキルとなる。もちろん、まったくの見当違いということもあるだろう。しかし、ノイズの中に本当に意味のある情報が隠されているのだが、あまりにノイズが多くて他の人が感じ取れないというときに1人だけ感じ取れるということもあるに違いない。
火星の地形を見て「顔が見える。宇宙人が住んでいるに違いない!」と言い出す人がいることから、Brugger等の行った実験結果は私の見聞と一致しており、納得がいきます。
しかし、引用文の後段で指摘されているように、創造性や水平思考など、一般にセンスと呼ばれているものの源泉が「意味を読み取ってしまう能力」にあることは見逃せません。
株価のように非常に多くの要因が関係しており、決して論理的な組み立てだけで解が出てこないような代物を扱うときには、ある意味この手の能力も必要なんでしょう。複雑に絡み合う現象からある傾向を読み取り理論化する能力は貴重なものです。
しかし、パターンを読み取ったつもりでも、やはり意味が無かったというケースが圧倒的に多いはず。そこはやはり冷静な頭で検証することは必要だと思います。その過程が無ければただのトンデモでしょう。経済とか株を語るときには、そのような態度がより求められるべきです。
逆に、小説や芸術なら創造の世界ですから「意味を読み取る能力」はこころゆくまで発揮すればいいことになります。昔、中島らものエッセイを読んでいたらこんな下りがありました。「ある滝の写真を逆さにしたら精細な落ち武者の姿が見てたれた。これこそ世の中に超常現象がある証拠に違いない」。細かい点は異なるとかもしれませんが、概ねこんな主張だったと思います。今でこそ笑い飛ばしてしまいますが、当時子供だった私は半分間に受けていた記憶があります。確かにエッセイで中島らもの言ってることは論理的にムチャクチャでしたが、彼の小説はとても面白かったのを覚えています。今思えば、これは彼に「意味を読み取る能力」があってこそであり、表裏一体なのです。大麻と薬で若くして亡くなってしまったのは惜しい。
*1
Brugger, P., Regard, M., Landis, T., Cook, N.(1993)
"Meaningful" patterns in visual noise: Effects of lateral stimulation and the observer's belief in ESP. Psychopathology, 25(5-6), 261-265.
↑
この論文読みたかったのでネットを探してみましたが、無料で読めるところが見つかりませんでした。残念。
先日紹介した『日本「半導体」敗戦』では、エンジニアを本職とする私にとって考えさせられる内容でした。また、同時に、投資家でもある私は、業界を外から分析する上で思い至ることが多々あったことも事実です。
ーーーーーー
社会科学者たち(だけでなく半導体業界外の方)が外から半導体業界を見ると,量産工場に並んでいる装置しか見えないようだ.特に,インテグレーション技術についてまったくなにも見えてないし理解されてない.その結果,見えている物だけを使って理屈をこねようとするから,業界関係社から見ると「なんだ,こりゃ?」と読むに耐えない論文になるのである.
また「半導体なんて装置を買って並べれば誰でもできる」と断言する人々にも多数であった.社会科学者だけでなく,政府関係者やマスコミの方からも同じ事を言われた.これが間違っていることを示すために,「半導体は装置を買って並べただけではできない」ことを証明する論文を書くことにもなった.
ーーーーーー
株の個別銘柄を分析していると、自分の分析は関係者から見ると頓珍漢なのではないか?という疑念が常につきまといます。特に定性分析。
このビジネスモデルは磐石だから大丈夫!と思って購入しても、全く予想外の理由によって下方修正を喰らうというのは一度や二度ではありません。私が単にヘボなのかもしれませんが。
また、逆の立場で、ハイテク関連の株式レポートにおいて「半導体は装置を買って並べれば誰でもできる」という文句を見つけた時、私もこのレポートを書いた人は何もわかってないのではないか?という疑念が常にありました。
湯之上氏の様に業界の中で十数年という経験を積み、さらにそこから社会学に転向して業界を外から分析することでようやく全体像が見えるということなんでしょうか。まあ、更にそこから株で儲けられるかどうかという問題は別の話ということもあるのですが。
定性分析は確かに面白いのですが、軽はずみなことは迂闊に言えないなあという思いを改めて強くしました。せいぜい個人投資家にできるのは定量分析ぐらいなのでしょうか?
上場企業の会社員なら、持株会はそこそこに。
様々な書籍やブログで指摘されていることですが、リスクヘッジが主たる理由です。会社が調子のいいときは給料も株価も上がってウハウハ。でも会社がダメになったら職も資産も失ってしまう。昔エンロンが破綻したときに、資産の大半をエンロン株に割り当てていた社員がテレビで報道されました。彼は職と同時に資産まで同時に失ってしまったわけです。このようなことにならないためにも、資産形成は持株会で行わない方が良いという事になります(少しぐらいなら買ってもいいと思いますが。あくまで割合の問題)。本によっては自社の競合企業の株を持て、なんてアドバイスもありますね。
私もこの考えに賛成なのですが、もう少し考え方をすすめると、日本人なら日本株に集中投資しない方が良いという話にもとれないでしょうか。日本の調子のいいときは給料も株価もウハウハだが、歯車が逆に回り始めると・・・
「日本人なら日本の株に投資するべきである」という文句をしょっちゅう聞くのですが、~なら・・・するべきという理屈のつながりが私にはよくわからないんです。逆じゃないかと。
外国の企業のことがわかるのかい?と言われそうですが、日本の企業のことですら分析に限界を感じます。何を隠そう、私は自分の勤め先がどういう仕組みで儲けられるのかいまいちわかっていない有様です。日本人だから日本の株をより正確に分析できるというのは思い違いではないかと。もちろん外国株はもっとわからないわけですが、ETFや機械的投資というやり方があるので私個人が実践している分には不自由を感じません。
まあ、個人的な価値観で日本株を応援するというのであれば、それはそれで全く構わないことではあります。私もパフォーマンスに影響しないぐらいの極少額でそのようなこともしてますので。
ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊さんがよく口にされていたことですが、モーツアルトとアインシュタインとどちらが天才かという議論をしたことがあるそうです。もちろん、どちらも天才なのですが、「天才とはほかの誰にも真似ができない人物のこと」と定義すると、モーツァルトに軍配が上がると結論付けたそうです。
仮にアインシュタインが相対性理論を思いつかなかったとしても、ほかの誰かが同じ結論にたどり着くことは可能だったはずですし、それが科学というものです。
しかし、モーツアルトがつくった曲の数々は、彼以外の誰にもつくれないものですし、それが芸術というものです。
投資において、個人投資家がバフェットやピーター・リンチのようなセンスのある投資家の真似をしたとしても、やはり限界があるでしょう。彼らの投資法はその人以外の誰にも真似できない面が必ず存在すると思います。
しかし、スクリーニングによる機械的投資法は誰が行っても、概ね近い結果になります。また、インデックスに連動するETFを積立てで購入するならば、確実に同じ結果が得られます。
そこそこ儲かるためには、何も天才である必要は無いというわけですね。
・・・とは言ってみたものの、自分の裁量で個別銘柄を買いたくなる気持ちも私は大いにわかるのですよ。
Anyone who has never made a mistake has never tried anything new.
失敗したことのない人は、新しいことに1つも挑戦しなかった人である。
Albert Einstein (アルバート・アインシュタイン)
前回からの続きです。ベンフォードの法則を利用した事例を見てみましょう。
1988年にCarslawは、企業の収益に人為的な操作がされているかどうか確かめました。たとえば、企業の収益が$19,970,000であったならば、経営者は$20,000,000に丸めてしまうのではないかと考えたのです。彼はニュージーランドの企業収益に対してベンフォードの法則を適用し、最初から2桁目の数字において、0が予想されるよりも多く、逆に9が少なくなっていることを見出しました。このことから彼の予想通り経営者が数字を丸めていることが明らかになったのです。
不正会計を見破るのにベンフォードの法則を最初に利用したのがNigriniでした。彼は1985-1988年の期間における20万もの納税申告書から利息の受取りと支払いについて分析しました。その結果、利息の受取りについては過小に申告し、支払いについては過大に申告していることがわかりました。この傾向は低所得者について特に大きかったようです。
別の事例をもうひとつ。Kevin Lawrenceはハイテクのヘルス・クラブ・チェーンをつくるために9100万ドルの資金を調達しました。しかし、彼とその協力者たちは、その調達した金の大半をビジネスではなく、家や自家用車などの個人的なことに使用あててしまいます。Lawrenceらは投資家の金を銀行口座とペーパーカンパニーを複雑に利用し、それらの取引の形跡を隠蔽、急成長のビジネスを装おうと目論見ました。
しかし、会計士が7万以上におよぶ様々な種類の小切手や電信送金の番号一覧をつくり、その数字の分布をベンフォードの法則と比較したことによって粉飾の疑いが高まり、一気に捜査が進んだのです。結局Lawrenceは逮捕され、20年の刑を言い渡されました。
ベンフォードの法則による検証だけでは、はっきりと黒白が出るものではありませんが、疑わしい結果がでればそこからさらに事態を進展させることができるため、有力なツールであることは間違いないでしょう。ただ、個人投資家レベルでは得られる財務上のデータ数は限られていますから、実際に我々が使用するのは難しそうではありますが。
なんでもいいのですが、山の高さや、川の長さ、人口の数値などのデータにおいて、最初の桁が1になっているものが全体に占める比率は何%でしょうか?
直感的には1~9までの数字が満遍なく現れるだろうから、11%ぐらいではなかろうかかと予想するところです。しかし、現実はそうなっておらず、最初の桁が1になっている数値データは実に30%にも及ぶのです。これをベンフォードの法則といいます。
リンク先を見てもらうとわかりますが、最初の桁が2になっているデータは17.6%となり、以降数値が上がるにつれて出現確率が小さくなっていきます。
詳細まで記すことはできませんが、この法則は単なる経験則ではなくて数学的にきちんと証明されているところがすごいところです。
さて、この法則を逆手に利用すると不正会計の摘発にも応用することができますね。つまり、最初の桁が1であるデータが30%を大きく下回っていたりすると、人為的な操作が加えられたのではないかという予想がつくわけです。(つづく)
私が株のセミナーをやったり、本を書いたりしておきながら、「たまたま」のような書籍を推奨するのは、ある意味自爆でもあります。何しろこの本はファンドマネージャーの成績は、たとえ優秀な成績を残していたとしても偶然の範疇を出ることはないと主張しているのですから。
実際、株式投資で成功する最大の要素は「運」であると私も自覚しています。その他の要素としては、紹介した本にもありますが、才能と努力でしょう。その割合がどの程度の比率なのかということが問題となってきますが、主観的な感覚でいうと 運:才能:努力=6:2:2 ぐらいに考えています。運の要素が最も大きいことは否めません。
もちろん運が悪ければ、たとえバリュー投資を忠実に実践していても損を出すことはあります。私も今まで日米中の3市場でインデックスを超えるパフォーマンスを運良くたたき出すことができましたが、今後どうなるかは正直わかりません。
それでも2割努力する要素があれば、それに向けて全力を尽くすのが私のポリシーでもあります。そしてバリュー投資は成功する確率をいくばくか上げてくれる重要なツールであると考えています。
これは、ビジネスにおいても同様に言えることでしょう。成功する要素はやはり運と努力と才能です。しかし、ビジネスにおいては実際に人を動かしたりするなど投資家にはない能力も要求されるので、努力や才能が占める割合は投資よりもいくらか大きくなるでしょう。
いずれにせよ、何らかの成果を出そうとするならば、そのために全力を尽くすことはやはり必要だと思います。私の結論は至って平凡です。昔から言われていることですが、「人事を尽くして天命を待つ」しかないのです。
しかし、金融危機が起こらず、三十年代の金融危機の記憶が次第に薄らいでいくとともに、厳重な規制は次第に、単に「イノベーション」を遅らせるネガティブな意義しか持たないと評価されてきた。その結果、金融システムの規制緩和が加速する。そして「サブプライム危機」が起きた。振り子はまたもとの方向に振れるだろう。といって、それが最終的な落ち着き場所というわけでもない。しばらく金融危機が起こらなければ、過去の「サブプライム危機」の記憶も薄れて、規制緩和を求める声が強まり・・・まあ、歴史とはこの繰り返しだと考えたほうがよい。「資本主義は嫌いですか」竹森俊平
金融危機以来、資本主義は人を不幸にするとか何とか言い出す人が多くなったように思います。現在の流れも保護主義に傾いているようですし、今のところ竹森さんの予想通りといったところでしょうか。資本主義はもちろん完璧ではなく、今回の金融危機のような事態や格差は問題だと私も同意します。しかし、資本主義に変わる仕組みは今のところ存在しない。いずれまたどこかでバブルは繰り返されるのは規定路線でしょう。
そういうわけで、私は毎月株を買い続けるのでした。
四季報ランキング。今回は平均給与です。
早速いってみましょう。
平均給与ランキング(上位10社)
コード 社名 平均年収 事業内容
2174 GCAサヴィアングループ 1,875 M&Aアドバイス
2466 パシフィックゴルフHD 1,756 ゴルフ場
4676 フジ・メディアHD 1,576 テレビ
9405 朝日放送 1,516 テレビ
8053 住友商事 1,373 商社
8058 三菱商事 1,355 商社
9409 テレビ朝日 1,325 テレビ
9404 日本テレビ放送 1,321 テレビ
8001 伊藤忠商事 1,301 商社
4324 電通 1,278 広告
平均給与ランキング(下位10社)
3359 タイセイ 233 包装資材
4754 トスネット 244 交通警備
3731 京王ズHLD 251 携帯販売
2751 テンポスバスターズ 253 中古厨房機器
9794 カラカミ観光 261 観光ホテル
2162 日本マニュファクチャリングサービス 270 請負・派遣
2427 アウトソーシング 281 請負・派遣
2154 トラスト・テック 282 請負・派遣
7872 エステール 283 宝飾品
2140 エラネッツ 284 デジタルコンテンツ
出典:会社四季報2009年夏号
ひとつ注意しなければならないのは、四季報に載っている社員の平均年齢と給与は単体ベースであることです。したがって、単体の人数が10名程度と少ない場合はそのほとんどが役員を占めているため、平均給与や年齢が高く出る傾向にあります。これは、人数が少ない企業においても同様のことが言えると考えます。
その点を考慮して眺めてみても、テレビ局や商社はかなりの高給取りですねえ。自分の給料と比較してため息しか出ません。一方、下位ランキングでは派遣業が目立ちます。改めて業界の厳しさが感じられます。
四季報のスクリーニング機能を使って、思いつきのランキングを作ってみました。
ちなみに株式投資の役には何ら役に立ちませんww。今回は社員平均年齢のランキングです。
平均年齢が若い会社トップ10
コード 社名 平均年齢 業種
2792 ハニーズ 24.6 アパレル
7829 サマンサタバサ 25.3 ブランドバッグ
7598 ナイスクラップ 25.9 アパレル
9446 エスケーアイ 26 携帯販売
3046 ジェイアイエヌ 26.1 メガネ
8920 東祥 26.2 スポーツクラブ
3092 スタートトゥ 26.4 アパレル
2726 パル 26.6 アパレル
2410 キャリアデザイ 26.7 転職情報
2459 アウンコンサル 26.7 ネットコンサル
平均年齢が高い会社トップ10
コード 社名 平均年齢 業種
8835 太平洋興発 56.4 不動産賃貸
9704 東海観光 55.3 観光
9082 大和自動車交通 54.3 タクシー
7736 ユニオンHLD 54.1 投資事業
4690 日本パレットプ 53.3 輸送用パレット
7771 日本精密 52.8 時計バンド
9661 歌舞伎座 52.5 劇場賃貸
2153 E・JHLD 52 建設コンサル
6250 やまびこ 52 作業機械
9780 ハリマビステム 51.6 ビルメンテ
両者の間ではっきりと業種に差が出ました。当たり前と言えば当たり前ですが、アパレルなどの業種は平均年齢が若い傾向にあるようです。
また、平均年齢が高い企業は社歴も古いのですが、何年も赤字が続いているなどあまり事業にやる気が感じられないところもあります。
それにしても平均年齢が56歳の企業は数年でみな定年になってしまうのでしょうか?
【事業仕分け】最先端科学も“敗北” 「スパコン世界一」を否定 ノーベル賞受賞の野依氏憤慨
スパコンの開発にどの程度の意義があるのかわかりませんが、「(コンピューター性能で)世界一を目指す理由は何か。2位ではだめなのか」というのは全く理由になっていないので説明責任に欠けるかと思います。スパコンで世界一を目指すのは技術の本流から外れた行為で意味がないとか実証してくれるような資料があれば読んでみたいのですが。行政刷新会議のホームページで議事録とか確認してみたのですが、詳細な資料が無くほとんど結果を書いてるだけなので困ります(私が知らないだけ?)。
科学技術に対する投資は非常に難しく、門外漢が「こんなのいらねえ!」なんて迂闊に判断することはできないのが現状でしょう。企業の研究開発における投資は収益を前提としなければならないので、この手のプロジェクトを立ち上げることは非常に厳しいと思います。自分の投資先が研究開発に資金をつぎ込んでいたらイヤだなと感じますしね。しかし、だからこそ、リスクがある研究に国が投資してくれなければ技術の基盤が脆弱になってしまうのではないでしょうか。企業としての投資と、国としての投資は少し違った観点で見た方がいいように私は考えます。
角山さんの外国株投資は必要か?を読んで。
>意味があるとすれば、日本が世界経済の成長から取り残された場合のリスクヘッジでしょう。
私はまさに日本が世界経済から取り残されるリスクが恐ろしくて、ポートフォリオをほぼ外国株にシフトしています。現在日本を取り巻く状況を考えると、少子高齢化は進むし、製造業はグローバリゼーションでシェアを食い荒らされるし、財政問題は深刻だし、政権交代したと思ったら悪しきポピュリズムに走るわで、日本に対して何の希望も見出せないのですが。
日本人だから日本株の分析がし易いというのは、あまり無いように感じます。今までの私の経験からすると、死ぬほどファンダメンタルを調べても見当違いのことを考えていたり、スクリーニングで適当に買った銘柄が爆騰したりで対して優位性が無いように感じます。もちろん、私が調べての話なので他の人はそうでは無いことも十分にあるのですが。
私はスクリーニング重視なので、割安で高収益な企業にどんどん分散投資しています。かかる手間は日本株の時とさして変わりません。ひとつ難点をあげるなら、しなくてもよい損をすることは確かにあります。日本株でしたら、粉飾決算の企業を避けることは比較的できるのですが、外国株では難しいと思います。昔、中国株でワーサンガスにやられた痛い思いもあるのですが、分散投資のおかげで致命傷は負わずにすんでいます。結局のところ現時点では中国株のパフォーマンスが日本株のそれを追い抜いてしまいました。中国株のパフォーマンスはたまたまタイミングをうまくとって売りぬけることができたラッキーもあるのですが、これはこれでホームバイアスが全くかかっていなかったが故に取れた行動であるとも考えています。
最も影響力のある人物として、バフェットがフォーブスのランキングで14位にあがりました。
http://www.forbes.com/lists/2009/20/power-09_Warren-Buffett_C0R3.html
選出の基準に経済的な影響力も入っているので、どちらかというと政治家や経済界の人が多くなっています。
日本人では以下のような顔ぶれになっています。最高でも26位というあたりが微妙な感じですが、まあこんなもんかという気もします。
26位 白川方明
28位 豊田章男
35位 鳩山由紀夫
58位 御手洗冨士夫
ちなみに1位は言わずとしれたオバマ大統領でした。
Economist記事の紹介です。
Japan's technology champions
Invisible but indispensable
日本の製造業の中には、何かの製品のキーとなる部品において非常に高いシェアを持っていることがよくあります。日本電産のモーター、シマノの自転車用ギア、東京エレクトロンのLCDパネル用エッチャー・・・
シャープやソニーなどの大手電機メーカーが市場シェアを落としつつある近年にあっても、これらの中堅企業は日本の物作りの代表としてまだまだ元気なように見えます。多くの製品がコモディティ化する中で、ある部品は継続的なイノベーションを求められるため、それが参入障壁となっています。
このような強みをどのようにして日本の中堅企業が獲得したかというと、
・顧客との密接な連携によって技術の将来性を把握し、厄介な問題を解決してきた
・マニュアルや特許で伝えることのできない暗黙知を社内で伝承してきた
と分析しています。
しかし、これらの強みがいつまでも保証されているわけではありません。台湾や、中国、韓国の製品は品質が向上し、徐々に日本をキャッチアップしています。これに対して、日本は更なる技術革新を起こして、高付加価値の製品へシフトしようとしています。しかし、製品の付加価値は向上したものの、全体の数量が減ってしまい、結果として台湾や韓国がシェアを伸ばすことになりました。これは俗に言うイノベーションのジレンマですね。
日本の企業が圧倒的なシェアを失った例として、キヤノンとニコンのステッパーを挙げています。オランダのASMLは技術的には日本企業に劣っていましたが、製品をモジュール化してアウトソースすることによって、最高の部品を組合せることができました。その結果、ステッパーにおける市場シェアを大幅に伸ばすことに成功しています。
このようなオープン化の流れに対して、Economistの記事では日本は及び腰であるとし、もっと財政的・技術的に他の企業と連携するべしと提案しています。
私も本業はエンジニアですが、確かに年配の上司は自前にこだわりすぎる傾向があるように思います。自前の技術が強みになるという考え方は、確かに今までのところ間違ってはいなかったのですが、グローバリゼーションによる水平分業が進展するにしたがって徐々に通用しなくなる気もします。そうなってしまった時に苦労するのは結局のところ私の世代なんですが・・・
先月NYで開催されたValue Investing Congressからの紹介です。
David Einhorn は Greenlight Capitalのヘッジファンドマネージャーで、1996年の設立以来、年率25%のリターンを達成しています。2007年7月にはリーマンブラザーズの株式をショートしたことで話題になりました。
会議における彼のスピーチは以下で読むことができます。
David Einhorn: The Lesson Of Lehman Is That There Shouldn't Have Been A Lehman
金融危機に関する内容がほとんどですが、私が気になった点としては、日本の財政赤字を非常に気にしています。
Japan may already be past the point of no return.
という言葉が印象的でした。日本の財政赤字については一度バロンズで特集になってから良く話題になりますね。最近でもEconomistでIn that dawnと題した記事で取りあげられていました。
投資的にはインフレに賭けていて、金を買っているようです。バフェットは昔、金はそこに座っているだけで利回りを生まないと揶揄しました。実際その通りで、長期の保有には向かないかもしれません。しかし、Einhornは現在のように財政政策がうまくいっていない状況では、現金の代わりに金を持っておくのが得策だとしています。
久々に地元本屋の株関連コーナーに行ってみたのですが、本棚の幅が半分に減っていたのはやはり予想したとおりでした。あまったスペースは何故かアインシュタインの特設コーナーになっていた・・・
2年前までは新興国投資の本が全盛を極めていたものの、今ではゼロ。完全抹殺という有様です。で、現在棚を占拠しているのはFX投資、デイトレード、システムトレードといった順番になります。あとはパンローリングあたりが独自の構成で出しているぐらい。それにしてもファンダメンタル系も完全抹殺です。まあ、今の状況からすると売れないでしょうからしょうがないと思いますけど。
本棚の占拠具合を観察していると、投資手法の栄枯盛衰が見て取れるところが感慨深いです。どのような戦略を持つ個体が生き残るのか、生物進化のシミュレーションを見ているような気すらしてきます。FXなどは売りも買いもできるトレードなので、相場環境がどうこうよりも、どんなシステムが有効かということに話になるので、このようなご時世では強いのかと思います。駄目だったら別の戦略で出せばいいだけだし。
しかし、絶滅危惧種に指定されかねないファンダ系の投資手法こそが、逆に参入するにはもってこいのタイミングだったりすることも事実だと思います。今日のエントリーについて「ただの妬み。早川必死だなwww」と思われた方、その通りです。返す言葉もございません。。。
次の実験は、ポール・B・アンドリーセンが行ったもので、ニュースが株式投資においてどのような影響を与えるか検証したものです。
A~Dまでの投資家グループを擬似的に作ります。その際、各グループ毎に投資の行動基準を決めるのですが、その詳細は以下の通り。
A. 様々なニュースを受信しながら、ボラティリティの少ない安定株を売買する。
B. ニュースをすべてシャットアウトして、ボラティリティの少ない安定株を売買する。
C. 様々なニュースを受信しながら、ボラティリティの高い株を売買する。
D. ニュースをすべてシャットアウトして、ボラティリティの高い株を売買する。
さて、どのグループが高い成績をおさめたか、というと・・・(少し考えてみましょう)
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
答え
ニュースをすべてシャットアウトしたB・Cグループがニュースをすべて受信していたA・Cグループよりも良い成績をあげました。
この結果が示唆することは、情報は何もなくてよいということではなくて(そうでないと、流石に売買の判断を下すことができない)。日頃からメディアに溢れるノイズに如何に翻弄されないかということにあると思います。
投資に必要な情報だけを収集すれば、絶対量は少ないものの、ニュースに対して冷静に対応ができ、投資に対する価値判断がぶれずに評価できると考えられます。逆に、情報過多の状態では、ニュースに過剰反応して情報に踊らされる結果になりかねません。
私の場合、株価の情報は余計なものだと考えているので、すべてシャットアウトしています。ニュースを見ていて(*)「次は為替と株の動きです」なんてアナウンサーが話そうものなら、両耳を塞いで歯をガチガチ2分間鳴らします。こうすると何も聞こえませんww。
*余談。私はテレビを見ない主義だったのですが、諸般の事情により(笑)最近見るようになってしまいました。あったらあったで楽しいものですね。
今日は軽い話題で。
akinatorはひとことで言えば人名あてゲームのようなものです。
まずプレーヤーが頭の中に特定の人物(有名人なら誰でも、個人でも架空の人物でもOK)を思い浮かべます。ゲームをスタートする、とYes, Noで回答できる質問をakinatorがしてくるので、それについて一問ずつ答えていきます。20個ほどの簡単な質問に答えると
「その人物は○○でしょう」とakinatorが割り出します。
私が少し遊んだ限りの印象ですが、かなり正答率が高いように感じます。15問目ぐらいですでに「感づかれているのではないか?」と思うような確信に迫る質問をしてきます。お約束でウォーレン・バフェットをやってみましたが、見事に当てられました。

どういうわけか、日本のアニメキャラにも強いです。ドラえもんはもちろん、ベジータまで当てられてしまいました。一体どういうデータベースをしているんでしょう?
たまに質問10個ぐらいで見事に的中され、「何で分かったー!」と薄ら寒ささえ感じることがあります。質問がすべて英語ですが、大して難しくないので怖がらなくても大丈夫だと思います。お暇であればやってみると楽しいですよ。
バフェットが鉄道大手のBurlingto Northern Santa Feを買収して話題になっていますね。
支払総額は260億ドルにものぼるそうです。実際には2年ほど前から買ってましたが、ここにきて完全買収となるようです。これは、バークシャー最大の投資規模になるようで、「アメリカの将来に賭けている」とバフェットはCNBCのインタビューに対して答えています。
それでは、なぜ今鉄道会社なのか?
当然の疑問が湧いてきます。
その答えは以下二つ
・米国経済が成長すればより多くの商品が動くようになる
・輸送手段の中でも、鉄道が最もエネルギーの効率が良く、環境に優しい
バフェットらしい実にシンプルな考えです。
ただ私が少し思うところでは、アメリカ人は将来に渡ってもそんなにモノを欲しがるのかなあという気がしないでもありません。また、鉄道は確かに効率的なのですが、それほど儲かるものなのかどうか腑に落ちない点もあります。ま、バフェットに比べれば私などゴミのような存在ですから、考えが及んでないことなどいくらでもありそうなことですが。
今後の展開に注目したいと思います。
昨日の記事は選択肢が多すぎることは必ずしも幸せではないことを示唆したインタビューの紹介でした。しかし、実際問題として値段の差をいちいち評価する時間は無いので、私たちは多くの場合ヒューリスティックを使います。
要するに何となくカンでで決めてしまうというわけです。必ずしもベストの判断ではありませんが、何らかの決断をすることはできます。
このヒューリスティックについての問題点を指摘したエントリーがDan Arielyのブログにありました。
Dan Ariely は行動経済学の様々なテーマについて実証研究をしており、彼の著書Predictably Irrational(邦題:予想どおりに不合理)は大変興味内容となっています。
私の書評
彼が指摘する問題点とは。
・適当に下した何回かの判断が習慣化して、大した意味もないのに同じ選択を続けてしまう。
・マーケットに変化が生じても戦略をなかなか変更しない。
の二つです。
最近F1レースから自動車関連企業各社が撤退するというニュースもありましたが、これは習慣化している出費について、企業が大幅な見直しを行ったことによるものでしょう。
企業の購買部門が当時としては正しい判断である材料を仕入れていたものの、マーケットの変化に気付かず、それが割高な商品であるにもかかわらず購入を続けるというケースもあります。
これらのケースは、不況によって企業の収益が苦しくなると決まって見直しがかかるものですが、そう考えると周期的にやって来る不況というものは我々にとってある程度必要なものなのかもしれません。
現在の投資環境では、インターネットを通じて様々な金融商品を買うことができます。
個別銘柄、投資信託、ETF、オプションなど数え上げればきりがなく、その組合せも含めれば、限りがないほどの選択肢が提示されていることになります。
本来、選択肢が多ければ多いほど自由度が増すのですからそれはいいことだと考えられていました。しかし、これほど多くの選択が存在すると、人はかえって不自由を感じるようです。
このようなジレンマついて、バリー・シュワルツ氏がTED(世界の第一人者を集めたプレゼン集)で、講演していたのが印象的でした。
TED
バリー・シュワルツ氏が語る、選択のパラドックスについて
シュワルツ氏は多すぎる選択肢に対していくつかの悪影響を指摘しています。
・多すぎる選択肢は開放感ではなく無力感を生む。選択することが非常に難しくなってしまう。
・たとえこのような無力感に打ち勝って決断を下したとしても、選択肢が少なかった時と比べて、決断の結果に対して得られる満足度は低くなる(自分の決断を後悔してしまう)。
プレゼンの中で定年後の年金投資計画に関する研究の紹介がありました。会社が提示する投資信託が10件上がるごとに 参加率が2パーセント落ちたという結果が出たそうです。50件の投資信託を提示すると、5件提示した時と比べて 10%少ない社員が参加するということです。決断を下す事があまりにも難しいと会社から受け取る権利のある資金を放棄すらしてしまうという例です。
また、自分の下した決断を後になって悔やむことは、株式投資をやっている人なら何度も経験していることでしょう。こんなクソ株を買わずに○○の株を買っておけば今頃3倍になっていたのに・・・なんてことは私にもしょっちゅうあります。
私的には多すぎる選択に対してはいくつかの条件を決めてスクリーニングするということで対応しています。あとは他の投資ブログを読んで自分と比較しないとか。
講演では最後に金魚鉢の例が出てきますが、何らかの制限事項を自らに課すことが解決のひとつだと私も考えます。
面白いランキングがあったので少し読んでみました。
2009 index of economic freedom
続きを読む >> 2009 Economic Freedom ランキング
亀井静香氏が金融担当大臣になってあいた口が塞がらないのですが、彼が代表である国民新党の緊急金融安定化対策の提案が以下のようなもので完全にずっこけました。
1 時価会計の無期限停止。
2 自己資本比率の撤廃
3 ペイオフ制度の適用停止
4 公的資金による資本注入
5 大阪証券取引所における「日経225先物取引」の廃止
http://www.kokumin.or.jp/seisaku/20081017.shtml
少し前に日本株はかなり売ってしまったので、もうどうでもいいといえばそれまでなのですが、完全に帰ってくる気が失せました。この政権も短命に終わって政治のほうは当分ごたごたが続くのではないかと思います。貴重な時間が失われ、本当に残っていたかもしれない日本復活のチャンスもなくなる気がします。
このエントリーでも言及しましたが、日本株は私の株式ポートフォリオ全体に占める割合が約10%と大幅に縮小しました。
今後、日経平均やTOPIXは循環株の様相を呈すると考えいるので、日本株ETFを購入することは選択肢にありません。ピーター・リンチは斜陽産業の中で強く生き残る「砂漠の中の一輪の花」を探せと推奨していますが、私は崩れ行く日本の中でも、今後成長が期待できそうな個別銘柄にもっぱら集中しています。
外国株は米国株と新興国で半々(各45%ずつ)といった状況です。新興国の多くは中国株が占めています。
こんにちは。
私の投資スタイルは割安株を世界分散的に買い付けるというものですが、最近日本株の比率を引き下げに走っています。
かつて私は自著で人口動態的に見て団塊Jrの世代が30台後半~40台前半になると消費活動が盛んになることを見越し、日本株が良いパフォーマンス挙げるだろうと考えていました。しかし、現在に至り少々考えが変わってきたので外国株を中心とするポートフォリオに移行しつつあります。
理由
・団塊Jrの消費行動は、親の団塊世代と比べて非常に緊縮的である感じるから。
・それでも人口動態的に見れば、日本経済は5,6年後に多少は有利になる。しかし、更にその先の超少子高齢化社会を見越して市場が反応しない可能性が高いと見ている。
少子高齢化社会に対するアクションはまさに今、政府が主導的に行わなければならないはずですが、日本の政治を見る限りこれはもう無理なのではないかと思います。日本人は危機的状況を体感しないと行動しないような節がありますが、そうなってからではもはや取り返しのつかないのがこの問題の恐ろしいところです。
そして、以下の記事に対しても私は非常に納得感があります。
まとまった数の人が本気でこう思い始めると、流れが一気に傾くことがあります。
あと、今月は中国株のCPを減らしました。
中国株 75% (キャッシュ 25%)
日本株 95% (キャッシュ 5%)
米国株 75% (キャッシュ 25%)
日本株用の現金をほとんど持っていないのは強気という意味ではなく、余っていたお金を海外株に振り分けた結果です。
景気の良い時に企業はこぞって設備投資を行います。
2007年頃は自社ビルや新工場を建設した企業も多いのではないでしょうか。しかし、そのような時は得てして景気の頂点だったりするわけで、あれから2-3年経った今では、工事が凍結してしまったような案件がいくつもあります。
しかし、そんな不景気を待っていたかのように投資を始める企業もいくつか存在します。
インテルは先週、過去最大規模となる70億ドルの投資を計画と発表しています。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200902/2009021100009
インテルは2003年のITバブル崩壊でズタボロだった時期にも思い切った投資をしています。
典型的な逆張り型だし、このような企業が成功するべくしてしているような感じもあります。
だからと言って、インテルに投資しなさいと私は主張しているわけではありません。景気の波を読むのが上手い企業を参考にして株式投資のタイミングをはかってみるのも一つの手ではないかということです。
ご多分に漏れず私も最近の暴落でやられているわけですが、このタイミングで銘柄を入れ替えています。
ここまで来ると、平時は到底手に入れることのできなかったあの株やこの株が私の許容範囲で続々と変えてしまう状況です。
自分のポートフォリオを見直すと、あまり魅力的に感じられない企業を安いという理由だけで買っていたので思い切って乗り換えを実施しました。私は割安成長株に下方修正が出た時は何のためらいもなく損切りできるのですが、資産株は業績に関してあまり気にしていないがために株価が下がると売る理由が無くなってしまいます。気がつくとポートフォリオがどんどん劣化していくんですよね。
というわけで、ようやく本当に保有したい企業を手に入れることができました。銘柄数が減って少し集中度合いが高くなっているのが気になりますがキャッシュも未だ残しているので様子見しながら買っていきます。全て私のものだ。
毎日変動の激しい相場ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
私はCPを日本株で10%ほど残していますが、ほとんど静観しているような状況です。
相変わらずスクリーニングで新規銘柄を探していますが、本気でいいと思えるところがあまりありません。
確かにPBRで見ると今の株式市場はかなり安いと思います。
しかしPERを考えると、Eの方向性が相変わらず減益に向かっており、株価がそれに過剰反応する形で下がっているだけなので、結果として低くなっているのですが、手放しで喜んで変える状況ではないと考えています。
今後何か買うとしたらすでに保有している銘柄を買い増しすると思います。本来ナンピンはしない主義ですが、他に選択肢もあまり無いようなので。
今週の東洋経済は「不動産・ゼネコンマンション台激震」が特集です。普段あまりこの手の雑誌は買わないのですが、立ち読みしたところ、良くまとまっていたので購入しました。週刊ダイヤモンドと並べて平積みになっていたのですが、売れ行きにはっきりと差が出ており、私が買った時すでに東洋経済は最後の一冊しか残っていませんでした。
2005年頃までは、不動産流動化関連に投資してパフォーマンスが整数倍になっていた方々を見るにつけ、内心羨ましいところもあったのですが、数年後に現在のような大倒産の状況見るにつけ、それだけリスクもある投資であったことを思い知った次第です。まあ、バリュー株はその分変動がいくらかマイルドなだけで、現状下がっていることに変わりはないのですが、胃が痛くなるような投資は寿命が縮むので私は避けたいなと思います。
記事の内容は、新興デベロッパーが崩壊した構造の解説とゼネコンの状況、マンション価格の行く末などなど盛りだくさんで勉強になりました。もし投資妙味を探るとすれば、立地のよい物件を厳選して投資しているJ-REITといったところなのでしょうか(得意ではないので感覚で言ってます。あしからず)。REIT銘柄は玉石混淆なので東証REIT銘柄指数連動型上場投信などのETFも面白そうです。小口で買えますし。
トレーダーズ・ウェブの業績修正チェックで、企業の趨勢をチェックしようと思い、いくつか記事にしています。感じたことは、上方修正と単純に表記されていても、単なる子会社の売上計上だったり、損切り覚悟の物件がキャンセルになって損失を計上できなかっただけだったりと、中身をきちんと見ておかないと、失われた情報があまりにも多すぎるということです。このまま単純に統計処理してもある程度の傾向は掴めると思いますが、数値化してしまった時点で重要な情報がいくつも抜け落ちてしまうことがあることは要注意だと思いました。
他にも、例えば統計的に低PER・PBRの銘柄に投資いていれば儲かるという、パフォーマンスのグラフだけを示した様なデータがありますが、年代によって抽出される銘柄数や平均値、分散などのデータがないとどのような時期が本当に買い時なのかはわかりません。数字は物事のある側面を如実に示してくれることもありますが、その過程で切り捨てられてしまった部分に重要な情報も存在するように感じます。
もともと私はスクリーニングを元に定量的な手法で株式投資を行っており、積極的な定性分析に踏み込むのは苦手な方です。まあ、定性・定量分析は両輪のようなものですから試みに行っていますが、失敗も多く、なかなか上手くいかないというのがホンネです。
私の場合よくありがちなのが、定量的な数字の良さを見て、企業の強みを勝手に妄想していることです。ROAが10%もあるんだから、何かあるはずだと思い込み、ありもしない企業の競争優位性をでっちあげ将来の夢を描いてしまいます。しかしそれは、必要な時期に経営資源をたまたま集中していただけだったり、体育会系従業員の馬車馬のような働きに依存したものであったケースがほとんどでした。このような企業は、事業環境が一変するとあっという間に業績も落ちこんでしまいます(同時に株価も奈落の底へ落ちていきます)。有報やホームページを読んで「なぜこの企業がこんなに儲かるのかよくわからん」と感じる素朴な疑問は、意外と的を射ているのかもしれません。
今のところ私の成績はインデックスに何とか勝っている状況ですが、損切りの速さも少しはあるかと思います。株価だけの損切りはしませんが、予想していた収益の最低ラインに届かなかった場合や、定性分析の前提が崩れた場合などは躊躇無く売り切っています。そのような意味で、定性分析というのは消極的な立場で利用する、もう少し言えば事業のリスクを明確に把握するために行うのがいいだろうと最近は考えています。
角山さんが著書などで引き合いに出されているポーターのファイブ・フォースモデルは事業のリスク要因を洗い出す目的で使用すればなかなか便利なチェックシートだと思います。またDCFで理論株価を導出する過程で設備投資や運転資金の値を見積もる「過程」も重要だと思います。これらのプロセスを経ることで、企業の将来に対して安易な妄想を抱くようなことは少なくなるでしょうし、状況が変わった時には潔く切ることもできるようになるのだと思います。
市場は今のところ戻していますが、さてどうなるでしょうか。
一生懸命勉強すれば報われるのは、せいぜい大学受験や資格試験の話で、株式投資(または起業)においては役に立つことはほんの少しだと思います。
どれだけ経済の動向や、企業の業績を調べたとしても、いつのまにかに前提条件がころころと変わってしまうので予測は大概外れることになります。知識のある方が株で儲かるというのであれば、会計士やコンサルタント、エコノミストは今頃株で大金持ちになっているのではないでしょうか。もちろん中には株で儲かっている人もいますが、職業全体として見るとそうではないし、むしろ株は怖いからやらないという人さえいます。
完全な情報はいつまで経っても手に入れることはできまえんから、ある程度のところで決断が必要になります。ずーっと調べてる間に株価は反転していまいますし、リスクがほとんど無いというのであればリターンもその分低いことになります。
だからといってなーんにも勉強せずに勘でひたすら売買していいかというと、そうでもないと思います。少なくとも必要な知識は最低限仕入れておかないと、無駄なリスクを犯すことがあるからです。財務諸表を注意深く読んでおけば、倒産した会社の株を手にする可能性は低くなります。様々なビジネスに精通していれば、購入しようとしている株の潜在的なリスクに対しておぼろげながらも認識できるようになり、状況に応じて売るタイミングも少しはわかると思います。
株式投資における知識は、基本的に守りのために必要だと思います。儲かるためには、結局のところ胆力なのかなあと最近は考えています。
暴落したので何かコメントしなきゃいけませんかね(笑)。
投資用の現金もそんなに余っていないので、1銘柄ですが買い増しました。
株式投資においては
・必ず余裕資金でやること
・信用取引を行わないこと(過剰なリスクを取らない)
この2つを守っておくだけで慌てる必要は無いと思うのですがどうでしょうか。2番目は人によって意見が分かれるかもしれません。当たり前ですが、普通に働いて毎月の給料があることも重要です。
株を専業でやっている人は大変かもしれませんが。
ファニーメイとフレディマックの救済が発表されたと思ったら今度はリーマン・ブラザーズ。こちらは救済しきれなかったようですね。10年前に日本で起こった金融危機を彷彿とさせますが、サブプライム問題の発生から1年でここまでくるスピードはアメリカならではと思います。
他にもまだあるのではないか?という疑心暗鬼でしばらく市場も荒れそうですね。懸案が出尽くすまでに日本の時ほど時間はかからないと私は思っていますが、直近の動きには確かにイヤな感じがあります。
今日はEconomistの記事から紹介です。
原油が直近のピークをつけたようですが、今度は水が危なくなってきています。
・世界における水の消費は20年ごとに倍増(多くは農業用)
・水は石油のような代替品が無い
・気候変動によって使用可能な量が変動する
・新興国の工業化によって水質が悪くなっている
・ダウやネスレなど一部の起業は既に水の消費を抑えに入っている
世界人口の増加による量的な必要性が高まる一方で、新興国の工業化によってどんどん水質が悪くなっているのですから、その需給はこれから更に逼迫することが予想されます。石油資源が上昇すれば原子力や太陽電池などの代替手段による技術が進歩するところですが、水の場合それがありませんから、汚れた水を浄化するなり、リサイクルするなりしないといけません。
株雑誌ならこの手の観点からいくつか企業をピックアップして並べるところでしょうか。
日本の水関連技術は世界トップクラスですから、探してみるとお宝にありつけるかもしれませんね。
・相場の動向に応じてポジションを柔軟に変化させ、戦略も変えていく手法
→ あまり気にしすぎるとただのノイズに反応するようになり、自分が何をやっているのか分からなくなる。一度疑心暗鬼に陥ると何も自信が持てなくなり、決断するべき時にできなくなる。
・相場の動向など目もくれずに、あるひとつの戦略(長期投資とかバリューとか)を固守し、どーんと構える手法
→ 自分のスタイルにあまりにも固執すると重要な変化が起こっていることに気がつかず、撤退することができずに傷口がどんどん広がっていく。
どちらでやるにせよ一長一短あり、完璧にやることなどできない。
両者の中庸を行くにしても、そのさじ加減はアートの領域にあるので難しいですね。
私のタイプを強引に定量化するなら、前者20%、後者80%ぐらいです。
DCFによって理論株価を求める方法は、私も簡易的なバージョンで実践していますが、深入りすることはありません。
よく指摘されていることですが、以下二つが主な理由です。
・売上や利益などの将来予測がいい加減だと、出てくる結果もいい加減である(garbage in, garbage out)
・理論式の構造上、指数の項目が存在するので結果が大きくぶれやすい
DCFの理論はCAPMの話あたりを除いて完璧ですが、実践する上で問題があるように感じています(相場動向によってはバリューそのものが効かないという話もありますが、この話はまた別の機会にしたいと思います)。
それでも一通り計算を行うのはなぜかというと、理論株価を算出する過程において、売上や設備投資、運転資金の増減に対して評価を行うため、企業のリスク要因を洗い出すことができるというのが一番の理由です。
例えば、
この企業は一見すると魅力的だが、よくよく考えると創出したキャッシュ・フロー以上の設備投資が必要になってしまうので思ったほどではないな。
この企業は利益の伸びはすごいが、売上債権と棚卸資産が現金化されるまで恐ろしく時間がかかるな。銀行からの融資が途絶えたら終わりだ。
といったようなことに意識を向けることができます。
理論株価が当たらないのは予測の精度が悪いせいだと考えて、マクロ経済の分析にまで手を伸ばすのは、問題を複雑にするだけで報いが少ないのではないかと思っています。
今のところ私は日本株の個別銘柄を多く購入していますが、もちろん株式以外の資産にも分散して投資をしています。アセットアロケーションについての説明は他の専門の方に譲りますが、様々な金融商品を持っていると定期的に状況を確認するクセがつくというメリットがあります。
TOPIXのETFをもし少額でも持って入れば、全体の株価の推移を見る目が多少なりとも違ってきます。以前私はYahooFinanceに為替や各種インデックスを登録していたのですが、忙しかったりすると元々お金がかかっていないため、ついほったらかしになり、そのままになっていました。
現在では様々な商品がETFとして少額から投資できます。一通りお金を出して専用の証券会社に入れておくと、定点観測をするには非常に便利です。実際の損益が%で表示されますから相対的な比較が実感として湧いてくるので以前に比べ真面目に見るようにはなりました。株式のインデックスと併せてMMFやFXも利用すれば一通りの動向は追えるのではないでしょうか。
サラリーマン投資家が資産を形成する上で確実にできることは何かと言えば、やはり節約だと思います。投資でどれだけ緻密な調査を行ったとしても、予想通りの業績が出てくるわけではありませんし、相場の動向によって損をすることはいくらでもあります。
しかし、節約という行為はやった分だけ必ずリターンがあります。生活を見直せば、10%、20%のコストダウンはすぐにでもできると思います。確実に取れる物は取っておくのが蓄財への第一歩ではないでしょうか。
私の生活はといえば、相場が良かろうが悪かろうが、ここ5年ほどの出費に大した差はありません。給料自体は増えているのでもう少し贅沢をしてもいいのかもしれませんが、お金を遣うこと自体あまり好きではありません。毎月の投資額・貯蓄額がどんどん増えています。単なるケチなのかもしれませんが。
「お金は使わなければ意味がない」ともよく言われるのですが、それに対する答えはチャーリー・マンガーの言葉を借りて回答しておきます。
「私は金持ちになりたいと心から思っている。それはフェラーリに乗りたいからではない。私は独立していたいのだ。独立こそ私が求めるものなのだ。」
米Appleのスティーブ・ジョブズ氏が1ヶ月ほど前にかなりやせた姿で登場したことで、同氏の健康状態に対する業界や投資家の懸念が広まっているようです。
まあ、言ってみればこの会社はカリスマ的な経営者によって成り立っているところですから、投資家が懸念するのも当然でしょう。この手のタイプの経営者にしてみれば「ほれみろ、私がいなくなってからあの会社は悪くなっている。やっぱり私がいなくてはダメだな」とでも言いたいのかもしれません。しかし、後継者を育てることも重要な仕事の一つであり、それができていないようなら投資する企業にはあたらないと思います。
どんなバカでも経営できる企業に投資せよ、とよく言われます(失礼な表現なのであまり私は使いたくないのですが)。そのような企業の特徴を思いつくままにいくつか挙げてみると以下のような感じになります。
・成熟した産業にあり、独占的なシェアを持っている
・各種の規制に守られている
・市場規模がそれ程大きいわけではなく、大手が参入するには旨味が少ない
まだまだあるかもしれませんが、このような企業は大抵退屈な事業を営んでおり、将来的な成長もあまり見込めないケースがほとんどです。それ故に過小評価されやすく、バリュー投資の対象となることもよくあるわけです。
ロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん、貧乏父さん」は金持ちになるための考え方をわかりやすく説明した本です。資本主義の社会で成功するには労働者の側にいてはダメでビジネスオーナーの側に回りなさいという主張は、よく考えると当たり前のことなんですが、会社員しか頭にない日本人には発想の転換ぐらいにはなったと思います。
ところが、ビジネスオーナーの側に回ったからといって、必ずしも成功するわけではありません。本書でも「必ず何回か失敗するものだ」と指摘はありますが、これはかなりの覚悟が要ります。成功するまであきらめないという精神論はどうなのでしょう。株式投資で設ける秘訣は成功するまであきらめないことだと言っているようで少し微妙な気持ちになります。
会社員はその点、毎月の給料がもらえますからリスクはかなり少ない立場にいます。結局投資と同じことで、大儲けするためにはリスクをとらなければいけないという話なのです。
サラリーマンであれば毎日不満ばかりかもしれませんが、生活への不安はありません。一方、ビジネスオーナーになれば不満は無くなるかもしれませんが、生活への不安があります。ミドルリスクミドルリターンを望むのであれば、サラリーマン投資家になるのがひとつの手でしょうか。リスク許容度は結局人それぞれということで選択肢は色々ありますから、少なくとも極端な行動には走らず、最初にじっくり考えてみるといいと思います。
バリュー投資における評価方法のひとつとして、解散価値があります。
ある企業が何らかの理由によって解散したとします。借金は債権者へ返済し、所有していた財産を全部売り払ったところどれだけ株主に残るかを試算するというものです。
PBRという評価法もありますが、BSに記される純資産を元にした評価法です。実際には在庫などを売り払えば二束三文にしかならないのが通常ですから、もう少し割り引いて考える必要があります。
そこで、簿価に対して安全率となる係数を掛けることによって現実に即した形で算出しようというのが解散価値の基本的な考え方です。
例えば単純な例ですが、以下のように計算してみます。
流動資産
現金 5,000×100% = 5,000
受取手形・売掛金 1,000×80% = 800
棚卸資産 500×30% = 150
固定資産
土地 5,000×80% = 4,000
無形固定資産 3,000 × 0% = 0
簿価合計 = 14,500
割引後の合計 = 9,950
(百万円)
現金は係数100%で問題ないと思いますが、棚卸資産や無形固定資産は解散時にはほとんど評価されないと推測されますので、係数を低くしておきます。土地の評価は現状の地価がどの程度になっているかを考慮した上で係数を掛けます。この辺のさじ加減は個々人の判断によって変わります。
こうして算出された値と、当該する企業の時価総額を比べてみて株価が割高か割安かを判断します。もし時価総額が7,000(70億)だとすると、解散価値の方が高く出ていますからこの企業の株価は非常に割安という話になります。
ところで、この算出方法は企業が「仮に解散したらどうなるか」という前提のもとに計算を行っています。いつだったか、「企業が解散するなんてことはほとんど無い話なのだから、そんなものを計算しても無意味だ」と言われたことがありました。
次回はその点について少し考えてみます。
人口動態と株価の関係はよく引き合いに出されます。かくいう私も自著で引き合いに出してますので、ここで少し自分突っ込みをしてみます。
仮説:人口動態と株価は連動している。ベビーブーマーが40代になると住宅の購入など消費が人生の中で最も大きくなるため、経済も活性化し株価が高騰する。1980年代後半における日本のバブルや、1990年代の米国株の高騰がそのよい例である。日本では団塊ジュニアが40代への予備軍として控えているため、日本の景気は今後良くなり、株価も上昇する。
突っ込み1
日米2つのサンプル数では、いかにも少ない。ヨーロッパの各先進国においても同様のデータが得られていなければ、信頼に値する仮説とはなりにくい。ヨーロッパ先進国のデータを調べ上げ、同様の傾向が得られるのだろうか。仮説に一致しないデータがあったならば、何故そうなったのか前提条件を改めて見直す必要がある。
突っ込み2
40代前半で住宅を購入する人が多いはずだから、これから不動産セクターに投資すればベンチマークを上回ることができるのではないか?また、そうであるならば、米国や日本で株価が上昇した際は不動産セクターがインデックスを上回っていたのか?相関関係があるのか、40代の消費動向を調べて株式市場でどのセクターがあがっていたか調べておきたい。
突っ込み3
40代で消費が最大となる前提そのものが崩れる。日本の将来を懸念して、団塊ジュニアが子供をあまり産まない、消費も控える。また、人口のピークアウトを見越して株価が反応しない可能性もある。
配当や株主優待の季節となりました。投資において特に優待は意識していないのですが、私の所へも続々と届いております。
株式を保有することは企業の一部を所有することであると考えれば、株主優待というのは自分で自分に贈り物をするという行為です。経済的に考えれば合理性なんてものは無いのですが、もらったらもらったで嬉しくなるのですから不思議なものです。
私たちは経済的な合理性を追求する世界の住人であると同時に、人付き合いを上手くやっていこうとする世界の住人でもあります。誰かの誕生日や母の日・父の日に現金をあげてしまうと、普通の人は何か気まずい雰囲気になってしまいますよね。贈り物を渡す相手のことを考え、時間を割いて選んでくれたことに人は感謝の念を抱くのです。
この社会的な習慣が私たちの心の底にまで根付いているためか、贈り物をもらうと条件反射的に嬉しくなってしまうという性質が私たちにはあります。この条件付けが、本来は経済的な利益を追求するはずの株式投資において適用されると、優待目当てで株を選ぶという行為になっていくのではないかなあ、と私は考えています。
もちろん、優待があるために長期保有ができて日々の株価に一喜一憂することがなくなるというのであれば、その人にとっていいことだと思います。逆に、「オレの誕生日には現金をよこせ」なんて要求をするほど経済人になってしまう方がなんだかなあというものかもしれません。昔私がそうだったので少し反省しています。
先日、用事があって証券会社に行ったのですが、入り口で外国人が集まってビラを配っていました。何事かと思いビラを読んだところ、同じビルにテナントとして入っている英会話教室の外国人講師がストを起こしているとのことでした(私を生徒と勘違いしてビラを渡したらしい)。
当該の企業は増収増益を維持し、生徒の授業料も上げているのに、講師への賃上げは一切無いという主張が書いてありました。
会社四季報には企業ごとに社員の平均年収が記載されていますが、中にはこれほど安い給料で本当に生活できるのだろうかと心配になる会社もあります。特に、利益率が良いにもかかわらず賃金が低く抑えられている企業は、社員が犠牲となっているわけです。仕事にはやりがいの面が大きいといっても、これででは人材を育てることはできません。また、将来的に賃金水準が是正されれば(最近その傾向が強くなっていますが)減益は免れないでしょう。
四季報を見て、あまりにも年収の低い企業のリスクは大きいと見て、私は投資の対象からは外すようにしています。
企業の財務状況について一瞥してどんなものか確認したいという場合は、四季報CDなど利用すればおおよそのところがすぐにわかります。
ただ、単一の事業を手がけている企業はまれで、大体2,3の事業にわたって営利活動を展開しているところがほとんどです。このようなセグメント情報は有報まで目を通さないといけなかったのですが、以下のサイトでよくまとまった情報が提供されているのを見つけました。
情報があふれかえっている現在の状態では、分析を効率的に行い、調べる価値のある企業に時間をかけたいものです。
こんにちは。
ジャスダックインデックスと予想PERの推移を直近1年の期間でグラフにしてみました。
今年の1月は株価の下落と共に予想PERも下がりました。しかし、その後予想PERが4月末まで上昇しています。恐らく業績の下方修正により、EPSの減少分を反映しているのでしょう。しかし、株価には反映済みだったようでインデックスの値はほぼ横ばいです。
決算と同時に、来期の収益予想が発表され、5月末日のPERは下がりました。が、インデックスはそのまま横ばいです。
ここ半年ほどは、決算に対して株価が反応しなくなっている状況で外部要因にふられることが多いようです。
今日のテーマについて、私はこうしているというだけの話です。他の方が行っていることについて、とやかく言うつもりはありませんので誤解無きようよろしくお願いします。
働くという行為には「金銭を得る」ことと「社会的貢献・自己実現」の2つの側面があります。
私の勤め先は製造業でして、今入る業界ではどうがんばっても給料はなかなか上がらない状態にあります。一時はふてくされたこともありましたが、「社会的貢献・自己実現」に目を向けることによって働き続けることの意義を感じています。
一方、「金銭を得る」ことに関しては株式投資で実践するようにしています。裏を返すとこれは、株式投資を通じた社会貢献については意識が希薄だということです。投資に価値観を持ち込むことはあまりしたくないなあと感じています。CSRや地球温暖化への取り組みに熱心な企業という理由で投資は行いませんし(実際、米国の調査結果ではこの手のファンドの成績は今のところあまりよくないようです)、日本企業を応援するという意味合いで日本株に固執するつもりもありません。訪問販売を行っているなど、モラルの欠けた企業には投資しないという程度にとどめています。どうも価値観を投資に持ち込むと、負けた時のいいわけにしてしまうことが多いので、純粋に金銭を得ることに徹しています。私がバリュー投資を行っているのは自分に最も適した手法だと認識しているためで、企業の応援という意味合いはあまりありません。この手法自体価値と価格の鞘取りのようなものです。
以上のように、働いて「社会的貢献・自己実現」を達成し、投資をして「金銭を得る」ことによって、二つの欲求が私の中で折り合いが付いていることは理想的な状態に近づいているなあと感じています。
*投資の成績自体は近頃芳しく無いのですが、それも周期的なものとして長い目で見ています。
危険度はどうやって測ればよいでしょうか。
「コンサルタントの秘密」G・M・ワインバーグ著
という本では、「みなさんがどう感じるか」という点に注目して以下のテストを提案しています。
★あなたはそのシステムに、自分の命をあずける気がありますか。
私はバリュー投資を実践していますが、この投資システムに命を賭ける気はさらさらありません。そこまで信じられるものはこの世に存在しないと思ってますので。
ワインバーグも、すべてのシステムがこれほど厳しいテストを必要とするわけではないと認識してますので、もう少し弱い質問があとに続きます。
★あなたは右腕を危険に晒す気がありますか。
★あなたは左手を危険に晒す気がありますか。
★あなたは全財産を危険に晒す気がありますか。
★あなたは一ヶ月の給料を危険に晒す気がありますか。
★あなたはポケットマネーを10ドル、危険に晒す気がありますか。
私の場合、全財産の約半分をバリュー投資に当てています。この程度がこの投資法に対する私の信じる度合いです。
ワインバーグが更に主張するところでは、このテストの肝心なところは、主張をする本人が、空疎な抽象論をペラペラしゃべる代わりに何か個人的なものを危険に晒すところにあるとしています。プロのエコノミストやファンドマネージャーは、どの程度その予測やファンドに自分の財産を預けられるのか、少し聞いてみたいところです。
私の専門の分野について、新聞や雑誌がトンチンカンなコメントをしているのをしょっちゅうみかけます。これは裏を返すと、自分がよく知らない業界の企業分析は、専門の人から見るとトンチンカンな可能性が非常に高いことを示唆しています。
そのような前提があるので、収益などの予想については来期予想として発表される数値を基本的には信頼しています。ただし、企業によっては予想が強気であったり弱気であったりする「クセ」があります。投資家としては下手なビジネスモデルの分析をするよりは、その傾向を読みとるアプローチから入った方がいいように感じています。
具体的には、過去数年分の業績予想と収益の結果を比べてどの程度ブレているかを確認すればいいでしょう。また、時系列的な比較と同時に、同業他社との比較も役に立つと思います。競合が軒並み弱気な予想をしているにもかかわらず、1社だけ外れた予想をしていれば、なぜそうなるのか明確な根拠がなければなりません。
地味な作業になりますが、思い込みで企業に惚れ込むよりも幾分確実な方法だと思います。私の場合、収益予想のクセを掴むことは分析における優先度の項目として比較的高い位置にあります。
企業の定性分析をやる際にチェックリストを作り、各項目について点数をつけて最終的な総合点数で企業を比較していたことがあります。
例えば5段階表記で
・参入障壁は高いか? 4
・ブランド力はあるか? 3
・会計は保守的か? 5
総合点数 12
このようにして数値化した企業評価にどのような意味があるか・・・結果を並べてみて何とも複雑な気持ちになりました。そもそも単位が異なる定性評価を、無理矢理数値化して総合得点を出しても、出てきたものはわけのわからない数字でしょう。4m + 3kg + \5 = 12 ??? とやっているようなものではないかと感じ、このやり方は私の中でボツにしました。
そもそも、定性分析をやっている途中の段階で、この企業は買いだな(買わないな)というのが心の中で決まってくるんですよね(分析をやる前から決まっていてはいけないのですが)。チェックリストは自分が見落としているリスクがないか、文字通りチェックの意味で使っておけばいいと思います。
株式投資の本には1月効果やバリュー効果などのアノマリーを紹介するものが多くあります。これらの分析は、ある仮説の元にデータマイニングを行い、意味のあるものについて一般に知られるというプロセスを辿ります。
この、仮説→検証→公開の流れの中で、個人投資家は公開された情報にしかアクセスできないという状況があります。何が言いたいかというと、仮説→検証の過程であまり芳しい結果が得られなかったものについては、ほとんど知らされることが無いという事実です。一見するとスマートに株式投資の手法が紹介されていますが、その裏ではあまり有効ではなかった仮説の山が築かれていることにも、たまには注意を向けた方がいいでしょう。
データとして有効でなかったという話をわざわざ公開しても金融機関や株の専門家としては確かにあまりメリットがありません。しかし、個人投資家の側からすると、否定された仮説が何であったのかが分からない限り、ある手法が有効なのか否か延々と同じ議論を繰り返す羽目に陥り、なかなか前に進むことができなくなります。
大して意味のない経験則をあげてしまったことで、発言者の信頼が落ちてしまうということを懸念されるのかもしれませんが、「その仮説は意味がないということが分かる」だけでも大きな進歩になります。金融関連の学会ではそのような手続きがきちんととられていると思いますが、個人投資家が実践に使用できるデータという意味では扱いにくいように感じます。
株式投資のデータは使用料金が割と高額に設定されているため敷居が高いのですが、この状況が改善されるともう少し面白いことになるのではないかと思っています。もっとも、お金儲けが絡んでいますから、個人にしても検証結果の公開という高望みはできないかもしれません(私がやれって?)。
今日の話題はちょっとしたお遊びです。所詮たわごとですので気軽に読んで下さい。
いつだったか、会社の研修で心理学者の Gardner が提唱する多重知能仮説についての説明を受けたことがあります。人間には7つの異なる知能があり、この知能の活性化の程度により、各人が好む学習スタイルも異なるということを提唱していました。確かに人の頭の良し悪しはIQのようなものでは一概に決めることはできず、もう少し細分化されるべきだということは何となく感じていたので、この話を聞いた時はなるほどと思いました。
その7つの知能とは
1.Linguistic intelligence
2.Logical-mathematical intelligence
3.Musical intelligence
4.Spatial intelligence
5.Bodily kinesthetic intelligence
6.Interpersonal intelligence
7.Intrapersonal intelligence
バリュー投資において必要とされるのはどれかという話になると、1, 2, 7 あたりではないかと思います。1の言語能力は決算書や有報の文章から行間を読みとり、経営者のメッセージを深く理解するために必要だと思います。また、2の論理・数学的能力は統計や財務諸表を解析するためには必須の技術でしょう。最後に7について簡単に言うと、自分自身を振り返るという意味でしょうか。今までの自分の投資の行動と結果をチェックして次に生かすことは投資を継続する上で非常に重要なことだと考えます。
ちなみに、テクニカル分析やデイトレードでは、4の空間認識能力や5の運動能力(反射神経)が必要になるのでは?
人それぞれ、自分の能力を振り返り、それが生かせる場で戦うのが初めの一歩かと思います。
私がバリュー投資を主軸として実践する理由は、理論と統計による完成度が非常に高いとみなしているからです。
例えば、株式投資においてどれだけもっともらしい戦略が語られたとしても、実践してもよいと判断できるだけのエビデンスがなければそれはただの絵空事に過ぎない気がします。数字としての証拠が無ければ株式投資というリスクの高い行為は私にとってなかなかできないものです。バリュー投資では単純な低PER銘柄に投資するだけでもインデックスを上回るという実績があります。このPERという指標は、割安性を評価する上では問題だらけであるにもかかわらず、優位性があるという結果が出ているということは改めて考えると驚きでもあります。
また、統計的な結果があるという理由だけで、何故そのような現象が起きるのかという納得のいく理論がなければやはり動くこともありません。システムトレードなどはその範疇に入るかと思います(決してエンジュクの他のブロガーさんを批判しているわけではありません。私はこうするというだけの話で、単なる私の誤解や理解不足かもしれませんから)。私がもっとも恐れていることは、統計の基となる母集団の性質がいつの間にか変化してしまい、運用者の知らない間にシステムが崩壊している可能性があることです。また、なぜこのような統計的結果になるのか、その根拠となるものが明白になっていなければ、運用者である自分自身が不安に駆られてルール通り実践できなくなるということに陥る可能性も高いと見ています。
ただ、リターン・リバーサル効果に代表されるような、売られすぎを買うという逆張りのシステムトレードなど、人間心理に基づいた幾分納得のいくやり方も中にはあります(私は実践してませんが)。
あまりよく知らない投資法について否定的なことを言ったかもしれませんが、結局のところ運用者自身が一番納得していなければ意味が無いということに尽きるのかもしれません。というわけで私はバリュー投資しかできないというお話しでした。
以前ある企業を調べていたところ、経営者が以下のような発言をしているのを見つけました。
------------------------------
企業が不正行為を働けば、短期的には儲かるかもしれないが、長い目で見ると発覚のリスクなどを抱えることになり、コストが生じる。良心云々よりも、不正をすれば割に合わないという合理的な判断のできることが重要だ。
------------------------------
当時は一瞬合理的な考え方の様に思ったのですが、考え直してその企業への投資は止めにしました。
裏を返せば「バレなければ何をやってもいい」という考え方が透けて見えるような気がしたからです。
一般の投資家から経営者の誠実さを判断することは非常に難しいのですが、発言をいくつか集めていると、何となくその人の考え方がわかってくる場合があります。また、冒頭の例のように少し変だなと感じるところがあれば手を引いておくことも一つの手だと思います。
歴史は繰り返すとよく言われます。
株式投資の世界に照らして言えば、バブルは世界各地で発生してはその度に崩壊しました。バブルに関する研究は盛んに行われ、数多くの書籍も発行されています。これだけの情報があれば後生の人間はこんな理不尽な行動を起こすはずがないように思えるのですが、状況はさして変わりません。なぜ人は教訓として事実を活かすことができないのでしょうか?
それは、人という生き物が、自分が実感できないこと、体験していないことを理解するのは非常に難しいからだと思います。だからこそ「歴史」は繰り返すのではないでしょうか。(逆に一度バブル崩壊を経験してしまうと、株式投資=ギャンブルという強烈なすり込みがなされ、二度と手をつけなくなってしまうという困った現象も起きます)
私は過去のデータから何度もシミュレーションを繰り返し、経験の代替にしようと試みていますが、単に知っているのと実際に経験するのとでは天と地ほどもの違いがあることを痛切に感じます。ですから、相場歴の長い方の提言は、たとえ最初に違和感があったとしても納得するまで聞いた方が良いと思うのです。経験に勝る知恵はないですからね。
(私の投資歴は10年経ってないので、たまにつぶやく相場観などは当てにしないで下さい。あんまり意味無いですから。)
先日紹介した「ヤバイ経済学」からの引用です。
-------------------------------------------
サンドマンは自分のノウハウを簡単な方程式にまとめている。
リスク=危険+恐れ
サンドマンが自分のリスクの方程式で、危険と恐れは重要度が違うと彼は認めている。「危険は大きいが恐れは小さい時、人の反応は控えめです」と彼は言う。「そして、危険は小さいが恐れは大きいとき、人はオーバーな反応をするのです」。
-------------------------------------------
サンドマンの式は、株式市場が時に非効率な振る舞いをするのはなぜか、という問いに対する一つの答えだと思います。
「金融機関の○○問題でこの先経済はお先真っ暗だ」
「○○業界は鮮烈な競争によって多くの企業が倒産するはずだ。」
自分にとって理解できないもの、リスクがどの位あるのかちょっと考えた位では分からないものに対して、人は過剰な反応を示すのが世の常のようです。そして、闇雲に持ち株を売りまくり、バリュー株の誕生となります。
しかし、どんなに恐れが大きくても企業は実態を伴うものです。ものには限度というものがあります。例えば、決算書や有報などを見れば、持っている現金が時価総額よりも多かったりして、いくらなんでもそりゃ無いだろうというケースが最近は多く存在するのではないでしょうか。バリュー投資は企業の実質的な価値を精査することによって
リスク=危険+恐れ
の「恐れ」の項目をできる限り小さくする行為とも言えるのではないかと思いました。
もう方々の記事で書かれていることですが、建築基準法の改悪によって住宅不況が進行しつつあります。
---------------------------------------
国土交通省が発表する住宅着工戸数は、前年同月比で7月が23%減となった後、8月が43%減、直近9月も44%減と大幅な減少が続いている。特に分譲マンションは75%減と急激に落ち込んだ。
原因は、マンションなど建築物の耐震偽装問題に絡んで、建築確認の審査を厳格化した改正建築基準法が6月に施行されたこと。その結果、審査期間が伸びて建築確認が大幅に遅れるなどの混乱が生じている。その影響は予想以上に深刻で、ダメージは多方面に波及しつつある。
東洋経済 2007/11/17特大号 P24より抜粋
---------------------------------------
マンデベや戸建て業者がひどいことになっており、投資は手出し無用の状況かもしれません。一方で、新規出店による成長を目指す小売業者や工場建設を計画している製造業者にもこの問題はついて回る話でして、サブプライム問題などよりこちらの方が深刻なように私は感じますがどうでしょうか。
2001年頃から政府が各種の規制緩和を実施したため、多くの産業が興り、それに波及して景気が良くなった面は多分にあると思います。それが現在はコンプライアンスを重視する引き締めの方向に傾いているようです。私自身が会社で働いていても以前と比べて書類一つ発行するのにとんでもない時間がかかったりと、非常に窮屈感を感じます。
もちろんコンプライアンスを遵守することは当然ですし、投資家としても不正会計など起こっては欲しくはありません。しかし、本質とは関係のないところで書類の整備に莫大なコストがかかったり、自分だけは責任取らないですむよう立ち振る舞おうとする関係者の態度が、日本全体の経済を萎縮させているような気がしてなりません。
こりゃ当分不況となるんですかね。もっとも、規制が行きすぎると今度は緩めてみたりと、その辺は時代によって周期を繰り返すだけなのですが。
moguさんのコメントにお答えします。
>こんにちは、
>ひとつ質問させてください。
>「将来のための投資」をどこまで、信用しますか?
>
>たとえば、ポジショントークで悪いのですが、典型的な、トールゲート企業でEDINETを使った開示で有名な「7893プロネクサス」も、ついこの間、ネガティブサプライズで30%減益を発表しました。
>当初の予想から、大幅な研究開発を見込むといっておいて減益予想をしていながら、さらに中間期で下方修正。
>
>うーん、そうなると個人投資家レベルでは、やはり「将来のための設備投資」は信用すべきではないと思うのですが・・・
>
>早川さんは「将来のための投資」をどこまで信用、評価していますか?
企業の設備投資に対して、個人投資家にとっての懸念材料は
1.投資に対するリターンがどれくらいあるのか(ホントにそんなに儲かるのかいな)
2.投資額がどれくらいになるのか(予期せぬ追加の出費があるのではないか)
ということだと思います。
将来の収益がどの程度になるのか、企業価値をはじこうとする投資家にとっては1が最大の関心事です。また、投資が予定されていたものの、moguさんが例として挙げられたプロネクサスのように「思わぬ追加投資」があっては直近の株価も影響を受けますので避けたいところです。
私が考慮する点は以下の通りです。
1.その(設備)投資が企業の競争優位性を更に強固なものにするかどうか。
2.決算予想がいつも控えめか。経営者の日頃の発言、ファイナンスに合理性があるか。
トールゲート企業がその地位を盤石とするための投資であれば大いにやってもらって結構です。「競合がやっているからウチもやる」「出遅れた時に説明することができないからとりあえずやっておく」といったような横並び的発想が見え隠れしていたなら見限ります。では、将来得られるリターンが果たして割に合うのかどうかという点については、個人投資家にとっては限界があるように感じています。情報を最も保有している企業の発表を信用するしかないのかもしれません。そこで、2で言及しているとおり、日頃の業績予測や経営者の発言でどの程度信用していいものか評価することにしています。
プロネクサスの場合、当初の投資額の見積が甘く下方修正してしまった点については減点ですね。もっとも1Qの発表までは具体的な投資額が未確定で、とりあえず減益予想だけしていたのかもしれません(すいません、ノンホルダーなので決算発表から得られる程度しか私に情報がないことを考慮下さい)。また、今回の投資がトールゲートを更に強固なものとするかどうかは色々と考えてみて下さい。
これらを総合して判断するしか無いと思います。難易度としては確かに高くなりますので、手出し無用と言われればそれまでですが。
また、景気循環株については設備投資のタイミングが業績に大きく寄与することになりますので注意が必要です。もっとも、やり方を私は知りませんので、もともとこの手の企業に投資は行っていません。
( 10月のスクリーニングは週末に掲載します)
自身で個別銘柄を選択し、株式を運用している人は「自分は特別」「自分ならうまくできる」という自信過剰が少なからずあると思います。
まあ、私自身がそうなので反省しているのですよ。仕事においても勉強においても無茶な計画を立ててしまい、自分ならこれくらいは実行できるという幻想を抱いては打ち砕かれる日々なんですね。
で、なぜこれほどに人はover-confidenceに陥るのか理由をつらつらと考えてみました。
1.何よりも気分がいい
他に褒めてくれる人がいないので、自分で自分を褒めてあげないと世の中やっていけません。ただ、ある程度のプライドがあることは悪いことではないと思いますけどね。
2.自分のことは自分が一番良く分かっている
寝ている時を除いて、自分のことは自分が常時モニターしています。だから、自分の一番の理解者は自分であると思いがちです。しかし、たとえば他人から見れば滅茶苦茶でも、本人は至って大まじめである××さんのような人(適当に身の回りのどなたかを想像して下さい)も多く存在することから、自分が一番良くわかっているというのは結局思い込みにすぎません。しっかりした意見を持つことも大事ですが、他人からどう見られているのかということもある程度考慮した方がいいのでしょう。
株式投資の運用においてこの手の自信過剰から逃れる術は、ETFなどのドルコスト平均買いということになり、なんとも面白くない対策になってしまいます。バリュー銘柄の機械的投資もよいのですが、この手法は一定のルールに基づいた投資を、下げ相場など結果が伴わない時期にも、運用者が淡々とこなすことができるのかどうかという問題が伴います。
えーと、私は特別に忍耐強いので、、、というオチでわざと地雷を踏んでみたりして(笑)。
中間決算が出てくる季節になりました。
経験則なのですが、四半期毎の売上、利益がほぼ等分されている企業は第1四半期の結果によって、その年の好不調がある程度つかめるように感じます。そのため私の場合、第1四半期でよろしくない決算を出している企業は一度売ることにしています。ただし、将来のための(設備)投資をして利益が前年比で減ってしまった、というような場合は別です。
四季報で「下期回復」なんていう記事があっても、大抵ダメな場合が多いのであんまり期待しない方がよいのではないかと思っています。逆に、売ってしまった分は、第1四半期で好調と思われるところへ回します。
今年は持ち株で早々に売ってしまったところが結構あったので、一般的な景気はあんまり良くない印象を私は受けています。
投資家の方々とお会いすると、文系理系でいくつかの特徴があるように感じます。
文系と理系で二分論を展開すること自体、両者の境界もはっきりしないことですからあまり意味のないことかもしれません。ただ、軽い話題を振りたい場合は、それなりに便利なものなので使わせてもらいます。
理系の投資家ですと、やはり統計やプログラミングに明るい人が多いようです。普段の仕事の延長で投資に対してアプローチをしているというのが実情でしょうか。私もこの分類に入ります。これが文系の投資家になると歴史に詳しい人が多いように感じます。企業の経営を昔の戦国武将や日本軍になぞらえた話は、なかなかに興味深いものがあり、私が聞いていても大変参考になります。
統計と歴史は異なる学問分野ですが、過去の事象から法則性を見いだそうとする姿勢については共通するものがあります。個々人の資質によって適用するツールは異なれど、根っこの所は相通じるものがあるのではないでしょうか。
一応、個別株投資以外にも、投資信託をドル・コスト平均法で買い付けているのですが、一体いくらになっているのか3年前から見ていません。マネックス証券でやってまして、クレジットカードで自動的に買付・銀行引落しなので、私は何にもすることがなくほったらかしです。10年後に開けてみる気でいるのですが、私の気が途中で変わってしまい、解約することがないように少しだけ工夫しています。
パスワードのメモをカプセルの中に入れて部屋の物置の奥深くに眠らせてあります。
まあ、証券会社にパスワード紛失の届けをするなり、カプセルを掘り出して開けてしまえば口座にログインすることは可能なのですが、めんどくさいので抑止力としてそれなりに働きます。で、その内に自分が積立をしていることなど忘れてしまいます。先ほどちょっとしたきっかけで、思い出し、このブログを書いているのですが、やっぱりめんどくさいので見る気が起きないですね。
市場の乱高下に感情を揺さぶられることなく粛々と続けるやり方としてはそれなりに機能するのではないかと思います。
*断っておきますと、個別株はEトレード証券で別口にしてあります。企業は不測の事態がよく起こるので、売れないと困ってしまいますから。
為替の急激な変動によって、FX取引で大きな損失を出したトレーダーの話をよく聞くようになりました。
一般週刊誌がFXで億万長者になったトレーダーの話を取りあげるあたり、いい加減天井が近いこともわかりそうなものですが、人間の性としてなかなかやめられないようです。あまりにも儲かりすぎると、このトレンドが未来永劫まで続くという勘違いを起こしてしまうのが一つの傾向のような気がします。かくいう私も2005年の新興市場の上げ相場で欲ボケになっていた節がありますから、その心情はよくわかります。
FXは私も外貨積立の代わりに各通貨でやっていたのですが、1ドル120円を超えるところから売りに回っていたため、何とか損失を回避することができました。大した額を投入していたわけではありませんから儲けも大したことは無いのですが。
実際に損失を経験してみないと、敢然と売りに回ることはなかなかに難しいものだと感じます。
株といい、為替といい、もの凄い下げ方してますね。
今後の展開について、私は別に悲観でも楽観でもありません(そのような予想自体が無意味)。この世界では何が起こっても不思議ではないことが、身をもって思い知らされるこの頃です。長い投資人生の中でも良い経験ができたのではないでしょうか。
信用取引をせずに余剰資金で運用していれば困ることはないはずです。(投機で信用やってる方は一度損切りになるのでしょうか)。個人投資家としては耐える一手しかないですね。私は働いて得る定期収入で、ねちねちと少しずつ買いまして行きます。
次にどのような金融商品で儲けられるか、というような予測はほとんどムダに等しい行為だと考えています。これからは新興市場がふるわないから大型株だ、外国株だ、いや株を買ってはいけないという判断はどうやってするものなのか私にはとんとわかりません。
ただ、次に騰がるものを予想するという切り口から、割安なものを買ってずっと持っておくという切り口に変えることで、この手の問題からはある程度開放されると思います。これまでのところ香港株が好調で、私のポートフォリオの下支えとなってくれていますが、去年から今年にかけてこれほど上昇するとは私は考えてもみませんでした。全体を俯瞰して、非常に安そうだなという観点でたまたま持っていただけのことです。
この手法の問題点は、いつ上昇に転じるかわからないということでして、なかなか思った通りの値動きをしてくれず、場合によっては含み損をいつまでも抱えることとなり、最後には折角買ったものを手放してしまうというケースがあり得ます。
非常に忍耐のいる行為ですが、自分がどのような観点でその投資先を保有しているか常に明確に答えられるようにしておけば、少なからず心の余裕が持てるのではないでしょうか。私の場合、何よりも相場を読む能力が皆無であることを自覚しておりますので、今自分のできることをやるしかないのです。
また、少し日本小型株を買いに走りましょうか。
今日は結構な暴落でしたね。みなさん、狙っていた株は買えましたでしょうか。私もずうずうしい指値を出していた銘柄が何個か約定してくれました。
以前の日記で、あらかじめ決めた値段に株価が落ちてくるまで辛抱強く待ち、毎日のように指値を出すという話をしました。ところが、人の心理はやっかいなもので、株価がずるずると下げに転じ、自分が指した値段に近づいてくると
「もっと下がるんじゃないか」
という不安に駆られ、指値を更に下の方へ出してしまうことがあります。そうしているうちに、株価がある日突然反発し、結局買えずじまいというのもよくある話です。
ファンダメンタルに重要な変化があったとすれば話は別ですが(そういう時は注文を引っ込めて、もう一度適正株価の計算をやり直します)、今日のような市場全体の下落時には潔く私は買ってしまいます。マーケットがつける値段に短期的な意味はあまりなく、行きすぎることはしょっちゅうあります。しかし、それに翻弄されていてはならないと思うのです。企業の価値を切り口に株価の基準を見定めることによって、迷いから抜け出すことがまず必要なのではないでしょうか。
一度決めた注文の値段は、上にも下にも変更しないのが私のルールです。
*一言注意を加えておくと、私の場合、資金を一度に使い切ることはありません。一銘柄に対してナンピン2回までの制限を設けてますので、もう1回か2回の追加投資を行うだけの余力は残してあります。